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【異世界迷ヰ犬】

異能バトルアニメ『文豪ストレイドッグス』とのコラボ企画、その名も『【異世界迷ヰ犬】』が始動! 本作の主人公センセーと『文豪ストレイドッグス』の太宰治、“死にたがりなふたり”がそれぞれ愛用する薬剤と書籍が描かれたコラボビジュアルと、特別映像を公開します。 さらにセンセーと太宰治による対談(?)企画も進行予定。続報は各作品の公式より発表しますので、ぜひお楽しみに。

コラボビジュアル


祝!八周年 TVアニメ『文豪ストレイドッグス』公式サイト

https://bungosd.com/

【異世界迷ヰ犬】

解禁記念映像


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【異世界迷ヰ犬】

キャンペーン

「異世界失格」と「文豪ストレイドッグス」のコラボを記念し、コラボビジュアルカードが当たるキャンペーンの実施が決定。 本作の公式Xと合わせて、以下をご確認の上奮ってご参加ください。 なお、「文豪ストレイドッグス」公式サイト・公式Xでは、コラボビジュアルのデジコンをプレゼント中!こちらもぜひご覧ください。


応募締切

2024年6月30日(日)23:59

賞品・人数

コラボビジュアルカード 10名様

応募方法

「異世界失格」公式Xをフォロー&対象ポストをリポスト

注意事項

・応募には、個人アカウントの登録(無料)が必要です。 ・フォローやリポストの際、正常な画面が表示されない場合は、再度ログインしてお試しください。 ・アカウントを非公開設定にしていたり凍結・削除されている場合は、リポストを確認できないため、抽選の対象外となります。 ・おひとりにつき応募は1口までとなります。おひとりで複数アカウントからの応募が判明した場合は、抽選の対象外となります。 ・条件を満たしていない応募、懸賞応募用アカウント、ボット(bot)アカウントからの応募は無効とさせていただきます。 ・公式アカウント「@isekaishikkaku」からDMで当選通知をお送りする際、賞品の送付先の登録方法をご案内します。 ・賞品の発送はキャンペーン終了から約1〜2ヶ月後を予定しています。また、発送先は日本国内に限ります。 ・賞品を譲渡(転売、オークション出品含む)しないことが応募・当選の条件です。譲渡が明らかになった場合、当選は取り消され賞品をお返しいただく場合があります。 ・当キャンペーンは、株式会社KADOKAWA(以下、弊社と言います)が主催しています。X(旧:Twitter)およびX社とは関係ありません。 ・ご応募に際しご提供いただいた個人情報は、弊社のプライバシーポリシーの定めるところにより、取り扱わせていただきます。 ・X(旧:Twitter)および関連ツールの動作等の不測の障害により、当キャンペーンを予告なく変更・中止させていただく場合がありますので、あらかじめご了承ください。 ・ご応募に際しお客様に生じた損害等につきましては、弊社に故意・重過失のある場合を除き、弊社は一切賠償の責を負わないものとします。


祝!八周年 TVアニメ『文豪ストレイドッグス』公式サイト

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【異世界迷ヰ犬】

太宰治からアニメ初回放送をお祝いするコメントが到着!

センセーが「異世界」でどんな人生を生きるのか、
とても興味深く愉しみだ。 どうにも他人とは思えないセンセーと此れでグッド・バイなのは
寂しいし、またこうして私の話し相手になってもらいたいものだね。 それではセンセー、異世界で愛する人と再会し、
生涯最高の幸せな時間を迎えられることを、
心から祈っているよ。

『文豪ストレイドッグス』 太宰治


祝!八周年 TVアニメ『文豪ストレイドッグス』公式サイト

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【異世界迷ヰ犬】

アニメ『文豪ストレイドッグス』太宰治とのスペシャル対談第1弾を公開!

【異世界迷ヰ犬】コラボに伴い、2人の対談が実現!たっぷりと語られた内容は、全4回にわたりお届けします。

【第1弾】


異世界を旅する作家のセンセーと、愛する街を守る探偵の太宰治。 黒い蓬髪の痩身、どこか風貌に似たものがありながら、決して交わるはずのない男たちであったが、不思議な縁に導かれて対談の席へ着く。 二人は、互いをいぶかしみながら、はじめこそ、のらりくらりと受け答えするのだが――?


おふたりは初めて対面されると思うので、名前、年齢、住まいといった簡単な自己紹介からお願いします。

人は僕をセンセーと呼ぶよ。職業は作家、それ以上でも以下でもない。年齢? 居住地? それについて語る必要はあるまい。今は不可思議な世界を旅しているところさ。

やぁどうも。それでは、私もセンセーと呼ばせてもらおうかな。私は太宰、太宰治だ。呼び方はセンセーのお好きにどうぞ。職業は……何に見える? ふふ、こう見えてヨコハマで探偵をやっていてね。君の年齢や居住地を当ててみようか?

えっ、私ですか!?

なんてね、冗談だよ。安心してくれ給え、探偵社は無辜の民を脅かすようなことはしないよ。

こうして対談することになってのお気持ちはいかがですか?

……ふふ。死にたい。

奇遇だね。ちょうど私も死にたいと思っていたところだ。

あの、それはちょっと……。

おやおや、インタビュアーくんがお困りだ。

知らんよ。僕はただアネットくんにここに連れてこられただけなんだから。

私は、この対談の企画書を読ませてもらって、センセーに何か他人とは思えないものを感じたからこうして会いに来たというわけさ。楽しみだよ。

職業は探偵をしていると言ったね? 探偵という職も興味深いが、僕は前職が不明という点に引っ掛かりを覚えたよ。ぜひ、詳しく聞かせてくれないかな。

私の前職ねぇ……実はこれを当てられた人は誰も居ない。もし当てられたら、膨れ上がった賞金を献上するけれど、センセーも私の前職当てゲーム、やってみるかい?

実際に会ってみて、お互いの第一印象は?

その黒い外套はとてもすてきだ。さながら死神だね。

……ふふ。頭が痛い。すまないが僕に構わないでくれないか。

……うふふ。

雲行きが怪しくなってきたので、ここは楽しく、お互いの共通項を探っていきませんか? 好物を教えてください。

好物か。僕が絶対確信を持てるのは、あの雪のようにきらきらした白い粉だけだよ。

ああ、あれは何にかけても好い。

おや、君も好きかね。筋子にかけると最高だよ。

筋子か、今度試させていただくよ。私は蟹も好きだけど、探偵社の給料ではカニ缶で腹を満たすのが関の山だね。

次は趣味をきかせてください。

あえて言うならば、ありったけの眠剤を頬張ることかな。

一気に錠剤を頬張ったら、薬が効く前に喉に痞えてしまいそうだね。その死に方はとても苦しそうだ。私は痛いのも苦しいのも嫌だなぁ。センセーはもしかして、苦しかったり痛かったりしても良い人なのかな? 

そうだね。苦しみも痛みも、僕にとっては死に至る悦びの一部と言えるかもしれない。ところで先ほどから、君が手にしているその「完全自殺読本」が気になって仕方ないのだが……。

おや、お目が高い。気になっているならお貸ししようか?

いいのかい!?

私はこの本の内容をもう覚えてしまっているから、数日貸すくらい構わないよ。好い本は何度読み返しても好い。センセーの感想を是非聞かせてもらいたいな……と言っているあいだに、読み始めてしまった。

ふむ……なるほどこんな方法が……。

そうそう、それがね……。

素晴らしい! まだこの世には、これほどの可能性があったとは……。

意気投合されて何よりですが、戻ってきてください。太宰さんがそんなに包帯まみれなのも、そうして自殺を試されているからなのでしょうか?

私の事が気になるのかな? いいとも教えよう。なんとこの包帯はお洒落なのだよ。若者の間で流行っている装飾なのさ。其れなのにうちの探偵社の国木田君は包帯無駄遣い装置だなんて云うんだよ。彼は頭が固くていけないね。……まぁ、この包帯がお洒落と云うのは嘘なのだけれど。

嘘なのか。ほう、嘘ねぇ……。

うふふ、本当のことはわからないほうが面白いさ。しかし、センセーの腕に巻かれた赤い糸もすてきじゃないか。

これは僕の宝物だよ。想い人と入水しようとしたときに、彼女がつけてくれたものでね。

……成程。それは大事にしないといけないね。

入水といえば、太宰さんもそれがきっかけとなって大きな事件を解決されたことがあるそうですね。

大きな事件……ああ、敦君を探偵社に勧誘したときの話かな? 鶴見川で入水を試みたんだけど、孤児に援けられてね。その子が偶々区の災害指定猛獣の虎に変身する異能力の持ち主だったものだから、我々武装探偵社が保護したという話さ。敦君がいなかったら入水成功していたかもしれないと思うと残念だ。それにしても、センセーは想い人との入水に成功したと聞いたけれど……成功したのに此処に居るのは不思議な事だね。

センセーの心中相手はどんな方だったんですか?

さっちゃんは、僕の全てさ。まったく、あのトラックさえ邪魔してこなければ……僕らは……。

ええと……トラック? 入水ではなく?

当初の予定とは異なったが、ふたりで一緒に逝けるとは思ったよ。

つまりセンセーは入水しようとしてトラックに轢かれ、それなのに死ねずに此処に居るという事か。なんというかご愁傷様だね。

そのトラックについて詳しく教えてください。

知らんよ。アネットくんは「異世界当選トラック」とか言っていたかな。どうやらそれに轢かれると、問答無用で異世界とやらに転移させられるらしい。

それは……、当たりなのかな?

僕がこの世で大層不幸だったと勝手に決めつけて、特別な力を与えたうえに、異世界を救う勇者とやらに仕立て上げようという何ともありがた迷惑な話だよ。

恐ろしい! 自殺が成功したと思ったらもう一回人生が始まるだなんて!

しかも、どうやら僕にはその特別な力がなかったらしい。まあ異世界でも失格の烙印を押される、それこそ、僕にふさわしい第二の人生なのかもしれんがね。

異世界で最初に見たものは何でしたか?

聖堂の天井画だね。七人の天使が描かれていたよ。ずいぶん西洋趣味なあの世だと思っていたら、きれいな形の耳をしたお嬢さんに興ざめな話をされたというわけさ。

なるほど。それが、さっきからセンセーが口にしているアネットという女性だね。頼んだら私と心中してくれそうかな?

……ふふ。さあ、どうだろうね。

それで、どうされたんですか?

どうもこうも、僕がやることは一つだよ。死に場所を探しに外へ出た。そうしたらちょうどいい塩梅の枝を持った木の怪物が現れたから、今度こそ首をくくって死ねると思ったんだ。でも……。

また死ねなかったのかい?

ああ。それどころか猫耳の少女の命の恩人になってしまったようでね……。

猫耳の少女か、また予想もできない展開だ。

ただ、その娘が気づかせてくれたんだよ。僕の運命の女性――さっちゃんもきっと同じ世界にいるであろうことを。彼女を見つけて、今度こそ心中せねば……。

センセーが転生した世界もなかなか面白そうじゃないか。俄然興味がわいてきたよ。ここから先は私がセンセーに質問しても構わないかな?


次週へ続く


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【異世界迷ヰ犬】

アニメ『文豪ストレイドッグス』太宰治とのスペシャル対談第2弾を公開!

【異世界迷ヰ犬】コラボに伴い、2人の対談が実現!たっぷりと語られた内容は、全4回にわたりお届けします。

【第2弾】


前回、導かれるがままに初対面を果たしたセンセーと太宰治。 センセーが転移したという世界に興味を抱いた太宰は、自らがインタビュアーとなって、さらに深く話を聞こうとするのだった――。


センセーの話を聞いて、異世界とやらに興味が湧いてきた。ここからは、私が質問をさせてもらうよ。まずはそうだな……センセーの名前は、やはり教えてもらえないのかな?

……ふふ。それを知って何になるのかね。

つれないなぁ。まぁ、センセーと呼べばいいだけだけれど。……それでセンセーは「センセー」と呼ばれていることについては如何思ってるんだい?

異世界でも元いた世界でも皆がそう呼ぶだけさ。未だに慣れないがね。

慎ましいねぇ。それで、職業は作家だそうだけど、作家とは何をするのか訊かせてほしいな。

作家は作家さ、それ以上でも以下でもない。まあ、強いて言うなら……人間を描く仕事かな。

人間を描く仕事、ね。

ああ。だが、僕の感性を刺激するような者はなかなか現れなくてね……いつか傑作を書いてみたいものだよ。

異世界に来てからも執筆は続けているのかい?

ロート城下町というところへ連れてこられたのだが、そこは存外興味深い題材が多そうでね……。久しぶりに創作意欲が湧いてきているところだよ。

それはなによりだ。異世界には、どんな名物があるんだい?

空飛ぶ大トカゲ、動き回る怪木、変わった形の耳をした女性たち。どれも興味深いね。

まるで空想の世界だ。それは興味が尽きないだろうね。それじゃあ、一番衝撃を受けたことは?

牛がしゃべることだね。

我ながら「郷に入っては郷に従え」ができているなと思うことは?

牛としゃべることだね。

探偵社にも牛と仲の良い子がいるんだけれど、賢治くんなら異世界も違和感なく楽しめそうだ。立て続けに質問して申し訳ないが、センセーのもといた世界にはないような悩ましさもあるかい?

……ふふ、そうだね。レベルがアップしただの何だの、僕の頭の中に勝手に直接語りかけてくる女性の声が煩くてかなわん。それに、一国の王ともあろう者が、僕のような突然訪ねてきた旅人に自分の大切な娘の結婚相手を決めさせようとしたこともあったね……。

それはそれは……なんと邪智暴虐の王だ。それでは王様失格だね。

……まったくその通りだよ。驚いたな。君はあの場にいたのかね……?

うふふ、さてどうだろうね。 ところで、異世界での寝食はどうしてるんだい?

食べ物はアネットくんが調達してくるが、基本薄味で困る。だが、寝床には満足しているよ。寝心地は、引き役次第といったところだがね。

ん? 引き役……ってどういうことだい?

道端に転がっていたガラクタの中から見つけたのだが、ちょうど人が一人入る大きさで、それがあれば、昼寝も丑三つ時の闇心地というわけさ。

それって、もしや……。

ここへ来る際も、アネット君が引いてきてくれたから……ほら、そこに立てかけてあるよ。

矢っ張り! 棺桶か! ずっと気になっていたのだよ何で棺桶が立てかけてあるのか! 此れが寝床だなんて……なんて素晴らしい! 実に効率的だ。 それに寝ていたら引いてくれるのかあ。楽そうでいいなあ。もし敦くんが引いてくれたら犬ゾリならぬ虎ゾリだね、ふふ。

おすすめするよ。

そうだね。前向きに導入を検討するよ。……もといた世界から持っていったものはあるかな?

首にかける縄くらい持って行ったら良かっただろうが、なにせ急にこっちに連れてこられたからねぇ。懐に入っていたのは、眠剤、ノートとペン、それから煙草だ。……一寸失礼するよ。

かまわないよ。おや、燐寸か。……佳い趣味だ。

……ふふ。

しかしセンセーは、異世界を救う勇者様にならなくてはいけないんだろう? 勇者と云うくらいだ、倒すべき魔王はいるのかい? 勇者と魔王なんて、まるで異世界の話だね……あ、異世界の話か。

僕にとってはどうでもいいことさ。それに、魔王どころではないよ。例の邪知暴虐の王の娘である王女様から、なんと心中を申し込まれてしまったんだからね。

心中……? センセーはさっちゃんが全てだって言っていたじゃないか。真逆、その申し出、受けたんじゃあないだろうね?

もちろん、さっちゃんが僕の全てさ…… 。それに、結局のところ王女様……いや、シャルロット君は僕の心中相手としては失格だったんだ。

へぇ、失格ね。その理由を詳しく知りたいな。

彼女は愚かな父親の呪縛を解き、自らの意志に従って、女王となることを決めた。だから僕と心中を共にすることはできなかったというわけさ。立派な女性だろう?もちろん僕も自分がどう生きていくのかを他人に委ねたことなどない。だから、誰が決めたことだか知らないが、異世界で勇者になれだなんてまっぴら御免だね。・・・ふふ。

成程、それは全くそのとおりだ。

そろそろいいかね。聞かれているばかりではこちらも退屈だ。今度は僕にも質問させてくれないかい。どうも君の言葉には、本心が見えない。さぁ、聞かせたまえ、君自身の物語を……。


次週へ続く


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【異世界迷ヰ犬】

アニメ『文豪ストレイドッグス』太宰治とのスペシャル対談第3弾を公開!

【異世界迷ヰ犬】コラボに伴い、2人の対談が実現!たっぷりと語られた内容は、全4回にわたりお届けします。

【第3弾】


前回、対談の主導を握った太宰治に、あれやこれやと今自分のいる奇妙な世界の話をさせられたセンセー。 太宰の口達者ぶりに感心しながらも、そのなかなか見せない心のうちに迫るべく“取材”を始める――!


君は「作家とは何をする職業か」と聞いたね。僕にも、探偵がどういうことをしているのか教えてくれるかい?

私が身を寄せているのは「武装探偵社」といってね、社員の多くは「異能力」を持っていて、軍や警察に頼れないような危険な依頼を専門に解決しているのさ。

「武装」とは、ずいぶん物騒だね。

まぁヨコハマは治安が良いとは云えないかな。それに「探偵は武装されるべき」という社長の理念があってね。巷では、昼の世界と夜の世界の“間”を取り仕切る「薄暮の武装集団」なんて、実しやかに噂されているらしい。まあ、私はソファでゴロゴロしているのが仕事と云えば仕事だけれど。

ゴロゴロ……? ……ふふ。どうりで僕の寝床を羨望したわけだ。どうして探偵になったんだい?

仕事を探していた時に、ある人の紹介でね。

ふむ……。危険な仕事を引き受けていると言いながら、ゴロゴロ寝ている……。一体、どんな社風なんだい?

もともと武装探偵社は、乱歩さんの為の組織だからね。センセーの言葉を借りるなら、それ以上でも以下でもないよ。社風といえるかはわからないけど、乱歩さんの云う事には誰も逆らわないんじゃあないかな。

乱歩……。どうも聞き覚えがある名だ。

探偵社最強の男だ。ところで、さっきから思っていたんだけれど……センセーの“声”は耳馴染みが良い。それもあるのかなぁ、とても初めて会ったとは思えないのは。

ふふ……そんなこともあるかね。「異能力」とやらも興味深いが、君も持っているということかい?

勿論だとも。あらゆる他の異能力を触れただけで無効化する。異能名は「人間失格」だ。

ほう、なんと・・・それは実にいい名だね……。他にはどんな異能力があるんだい?

多岐にわたるが、例えば……敦くんは白虎に変身したり、同僚の国木田くんは手帳に書いたものを具現化する異能の持ち主だ。元部下の芥川くんは、外套を黒獣に変えるね。

芥……あくたがわ!? 元部下だって? 素晴らしい名前の持ち主だね!

そこに引っかかったか。薄暮の時間を守るのが武装探偵社だとしたら、夜を司るのがポートマフィア。芥川くんは、その構成員だよ。立場は違えど同じヨコハマを守る組織だ。……けど、其処に居る、馬鹿の一つ覚えみたいに帽子を被った蛞蝓みたいな男がね。如何にも相容れない。はっきり云うと二度と会いたくないな。

君がそれ程に嫌悪するとは、むしろ興味をそそられてしまうな。僕も昔「青鯖が空に浮かんだような顔」とある男に罵倒され、極めて不快な想いをしたことがあるよ……その彼も帽子を被っていたな……。

そんな帽子の男が2人も存在しているなんて、この世は正に地獄だ。

そのようだね。……ふふ、まったく死にたくなるね。3人目が現れないことを祈るよ。

ところで……先刻から気になっていたのだけれど、君の頭をかじっている不思議な生き物はなんだい?

ん……? あぁ、メロスのことかい? アネット君の使い魔だそうだが、ご主人様より僕の方に懐いてしまってね。そういえば、僕がウォーデリア君という龍を連れた少女に胸を刺されたときは、その小さな体で賢明に僕を診療所まで運んだらしいのだが……全く! 余計なことをしてくれたものだよ!! あのときこそ、ようやく死ねると思ったのに……。

センセーはいつも死に損なっているんだね。同情するよ。私もいろんな自殺方法を試しては、シュッパイばかりだ。本当に探偵社にはおせっかいが多くてかなわない。

もう少し取材を続けさせてもらうよ。武装探偵社は、これまでにどんな面白い事件を解決してきたんだい?

おやおや、いつのまにか筆記具を握っているね。面白いかはわからないけれど、外国から異能力組織がヨコハマを焼き払いに来たり、ヨコハマが霧に包まれたり……こうして考えてみると結構大変な事件が多いなぁ。

どうも僕の知ってる「横浜」とは違う街のようだ、それこそまるで異世界じゃないか。

治安が良いとは云えない、と云っただろう? ほんとうは私、不発弾の処理とか、男女の喧嘩の仲裁とか、猫さがしとかをしてみたいのだよね。猫さがし、楽しそうじゃない? 人喰い虎は探したけどさ。

……君は、話していることと、そのとき頭の中で考えていることがまったく違うのではないかと思わせる節があるね。

そう? センセーは面白いことを云うね。

最後にもう一ついいかね? 僕の生きる意味はさっちゃんにあるが、君は“そこ”で何をすべきだと思っているんだい?

人を救う仕事をすること。

救う……。……ふふ。なるほど。実に興味深い。ありがとう。・・・おや? 何者かが僕の着物を引っ張って……何だ、メロスか。……痛い痛い痛い。頭をかじるのをやめなさい。ああ、わかった、わかったよ。

どうしたいんだい?

・・・ふふ。残念ながら時間のようだね。そろそろアネット君が僕を迎えに来るらしい。


次週へ続く


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【異世界迷ヰ犬】

アニメ『文豪ストレイドッグス』太宰治とのスペシャル対談第4弾を公開!

【異世界迷ヰ犬】コラボに伴い、2人の対談が実現!たっぷりと語られた内容は、全4回にわたりお届けします。

【第4弾】


知れば知るほど各々の生きる“異”な世界に興味を惹かれ、互いに言葉にならない共通項をも感じたセンセーと太宰の対談は熱気を帯びていく。 だが、奇跡の饗宴はここまで。最後に、二人が交わし合う思いは……?


盛り上がってきたところ大変心苦しいのですが、お開きの時間が近づいてきました。ここまでお話されてみていかがですか?

ふむ。御婦人方との出会いもあるし、自殺に挑戦できる機会も多そうだし、異世界とやらもそんなに悪いものではないのではないかと思ったけどね。

実は先日、異世界でついに僕の感性を刺激する男と出会ってね。スズキ君というんだが、彼のおかげでこちらの世界で初めて作品が書けたんだよ。

それはめでたい話じゃあないか。

ああ。ただ、彼が連れていた犬だけはいただけなかった。たしか、ストレイウルフとか呼ばれていたかな。

犬! 私も犬が好きではないよ。犬はしつけられるべき。まったくもってそのとおりだと思うね。

でも結局のところ、ついに完成したスズキ君の物語は、まだ傑作と呼べる代物ではないことに気づいてしまってね。その作品を破り捨てた刹那、スズキ君自身も光に包まれ、どこかへいなくなってしまったんだ……残念だったよ。

光に? 最初に「特別な力がない」という話をしていたけど、もしかしてそれがセンセーの「異能力」なのでは?

知らんよ。ただ、イーシャ君も何か言っていたな。「元にいた世界に送り還した」だの何だの……だが、僕はただ執筆していただけだ。なぜ、そのようなことになったのかはわからないし、興味もないね。

元にいた世界に送り還した、か。ふぅん。その力が今後センセーにどう影響するのか、楽しみだね。

スズキ君の物語は、こちらの世界での処女作としてはまずまずの出来だったはずだよ。次こそは傑作を書くつもりさ、あの賞を取れるくらいのね……ふふ。

ねえねえ、その物語に題名はつけた?

勇者失格……いや、「異世界失格」とね。

実にそそられるタイトルだ!

まあ、書き手である僕こそが失格者の烙印を押された人間だがね。生きていること全てが恥と言っても過言ではないくらいだ。

お互い、恥の多い人生を送ってきたものだねぇ。私も、喫茶店の女給を口説いてもなかなか靡いてくれなくてね。

……ふふ。それは僕の感性を刺激するほどの恥ではないかな。

それ以上聞きたいの? 女給を口説いて、心中の約束を結んだと思ったら生命保険に入らされそうになっていたんだよ。

素晴らしい。実に人間味溢れる話じゃないか。

でしょう? まったく女性というのものはしたたかでたくましい。だからきっと、センセーの愛するさっちゃんもどこかで生きてると思うよ。

……あぁ。そうだね。僕らは必ず再会できる。運命の糸で結ばれているからね。

今日はありがとうございました。お二人の親交が深まったようで、何よりです。

君の話を聞いてとても他人とは思えなかったよ。君をモデルにした物語を書いてもいいかな?

もちろんだとも、格好良く書いてくれ給え!


【一問一答】


座右の銘は?

「生きててすみません」

「清く明るく元気な自殺」

旅をするときに必ず持っていくものは?

眠剤。

面倒なので旅に出ない。

お互いの世界に転移したら何をしてみたい?

「黒獣」とやらに噛み殺されて死ぬのも悪くないね。

異世界には私と心中してくれる美女はいるのだろうか。探してみたいね。

レベルアップしたい自分の能力は?

「決して生き残らない能力」かな。

うふふ。すでにレベルはカンストしてるから、私。

世界最後の日、何を食べたい?

眠剤だね。そこへ、あの雪のようにきらきらした白い粉をまぶすのもいい。

それは記念すべき日だ。乾杯しよう。

もし世界を征服したら最初にすることは?

心中。

世界を征服することに意味を感じないなぁ。

最近見た夢は?

さっちゃん。

虹色のゾウリムシが黄泉平坂で蠢いていた。あれ?夢じゃなくて山に生えていた木ノ子を食べたら見た幻覚だったっけ?

願いが一つだけ叶うなら何を願う?

愛する人と心中すること。

自分の事で何かを願ったりはしないかな。


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